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Paris Gourmand パリのおいしい日々3

イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団&ズービン・メータ (パリ) Zubin Mehta & Israel Philharmonic Orchestra (Paris)

10 septembre 2019

La saison musicale 2019-2020 commence avec beau concert.
Le maestro Zubin Mehta & Israel Philharmonic Orchestra.
2019-2020音楽シーズン、スタート♪
シーズン最初の演奏会は、イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団&ズービン・メータ@フィルハーモニー・ド・パリ🎉
去年の春に公演が組まれていたけれど、メータの癌治療でキャンセルになり、心配&がっかりだった。偉大な巨匠が舞台に姿を見せると同時に、まるで、演奏会後のような大きな拍手が湧き上がり、メータのパリ復帰を大歓迎する観客席。
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2年前、パリでウィーンフィルを振ったのを聴いて以来のメータ。矍鑠とした姿が記憶に残る中、杖をついて歩き、椅子に座っての指揮姿がちょっとおいたわしいけれど、鋭い眼光は以前のまま。ピッカピカの靴や見るからに仕立てのシャツも変わらない。シャツの緑色の丸ボタンがかわいいな。
多分初めて聴くイスラエル・フィル、ワクワクしながら姿勢を正す。
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Schubert Symphonie 3, mingon. Ravel, La Valse, fascination totale!! Beethoven Symphonie 6, fantastique!
Il est vraiment extraordinaire ce grand maestro et son orchestra est fabuleux, notamment les cordes (superbe double basse) ainsi les bois (clarinette & basson, extra!).
まずは、シューベルト3番。
弦が、非常に端正でふくよかというか芳醇。一糸乱れぬ統制、そしてコントラバスの音色がとりわけ見事でかっこいい。クラリネットのトップがものすごく上手で、まるで鳥が空を目指して飛翔するように、音がスーッとクリアに立ち上がる。
曲自体はあまりピンとはこなかったけれど、弦と木管の上手さはよーくわかった。

続いて、ラヴェルのラ・ヴァルス。
今夜のピカイチ!メータ、ブラヴォ!
感情が、理性と頽廃の間を揺れ動きながら、少しずつ理性が剥がされ、気づくと、禁断の楽園にどっぷり溺れてしまった、という感じ。イスラエル・フィルの音色は、このうっとりするようなワルツを、官能的にというより頽廃的に、そして芳醇に響かせる。
引きずられてはいけない、と頭ではわかっているのに、抗いがたい魔力にズルズルと屈してしまう、狂気へのワルツ。弦、木、金、打が絡み合って生み出す怪しくも魅惑的な蜘蛛の巣に、少しずつ絡め取られて身動きができなくなるイメージ。
ラスト前のクライマックスの迫力と美しさに、体がしびれる。強くて優しい大瀑布の轟を聴いているみたい。端正に棒を振り続けるメータの、テンポや強弱のつけ方も、圧巻。締め方が難しいラストもそれはそれは見事で、思わず唸る。
もう一回聴きたい、、、。

後半は、ほんとはチャイコフスキー6番だったのに、ベートーヴェン6番に変更。ざんね~ん。大編成のシンフォニーで金管をしっかり聴きたかったな。
とはいえ、ベートーヴェン6番がこれほど素晴らしい曲だったのか、という心地よい驚きをくれるメータ&イスタエル・フィル。
弦。本当にピカピカに上手だ、このオーケストラ。きらびやかとか華やかとかとは違う、非常に輪郭が整った端正で奥深い、豊かな音色を響かせる。各パートの一体感も完璧。そして、前半2曲でも感じたけれど、コントラバスの存在感がひときわ際立っている。
木管も、4パートそろってトップが素晴らしく、中でもクラリネットとファゴットは圧巻。弦の美しい海からふわっとクリアに湧き上がって海面をきらめかせるような響きにただただ聴き惚れる。
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このオケ、国籍どういう感じなのかしら。見るからにユダヤ系とわかるメンバーはそれほどいない気がするけれど、ドイツ人はきっとゼロなのでしょうね。アジア人もいない。
弦と木管の各パートのバランスがものすごくいい。それぞれの楽器の魅力を次々とクリアに引き立てるメータの手腕に感服する。テンポの取り方も本当に上手で、ともすればぼんやりしがちな6番を、メリハリと叙情あふれたとても美しいシンフォニーに仕立ててくれる。今シーズンは、ベートーヴェンチクルスでパリに来るウィーンフィル&ネルソンスでもこの曲を聴くけど、今夜を越えられないと思う。オケはともかく、指揮者の格が違う。

アンコールは、シュトラウス2世のポルカ。ウィーンフィルとは違う、キラッキラではなくあくまで端正で深みがある響き。足を踏み鳴らし、今にも立ち上がらんばかりの指揮姿。疲れているだろうに、アンコールまでしてくださって感謝です、巨匠。
もうすぐイスラエル・フィルを去るメータ。長年連れ添った相思相愛カップルの、もう聴けなくなる素晴らしい音楽を記憶にとどめることができてよかった。
2ヶ月ぶりの極上音楽シャワーを浴びて、あー気持ちよかった。今シーズンもよい演奏会をたくさん聴けますように♪
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by yukinokano3 | 2019-09-11 17:42 | アート | Comments(0)

Journal de Yukino KANO, journaliste culinaire.  パリ在住ライター加納雪乃が綴る、フランス食文化を中心にした、おいしい日々の記憶。1、2もあります。文章&写真の無断転載禁止。
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